筑波大学教授 鍋倉賢治さん(50)専門は健康体力学、マラソン学。ランニング学会副理事長も務める。フルマラソンのベスト記録は2時間29分9秒(撮影/編集部・深澤友紀)
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筑波大学教授 鍋倉賢治さん(50)
専門は健康体力学、マラソン学。ランニング学会副理事長も務める。フルマラソンのベスト記録は2時間29分9秒(撮影/編集部・深澤友紀)
管理栄養士 深野祐子さん(32)Japanマラソンクラブ所属。フードアドバイザー、ジョギングマスターインストラクターとして走り方と食事の両面からランナーを指導(写真:本人提供)
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管理栄養士 深野祐子さん(32)
Japanマラソンクラブ所属。フードアドバイザー、ジョギングマスターインストラクターとして走り方と食事の両面からランナーを指導(写真:本人提供)

「やせたいから」と走り始めたが、やせなくて挫折。そんな人のために、筑波大学体育系教授でランニング学会副理事長の鍋倉賢治さんと、管理栄養士でJapanマラソンクラブでジョギングインストラクターも務める深野祐子さんに、ランニングでやせるコツを教えてもらった。

Q. 走るのはいつがいい?朝?夕方?

A.鍋倉さん:最も効果があるのは朝ラン。走るときには、糖質(グリコーゲン)と脂肪がエネルギーとして使われるが、脂質の代謝が進むのは、体内のグリコーゲンレベルが低下した条件のとき。起床直後は一日の中で最も長い絶食のあとだから、体内のグリコーゲンレベルが最も低い状態にある。午前中に脂質代謝を高めておくと、走った後の日常生活でも、カロリーを効率的に燃焼しやすくなる。ただ、起床直後は脱水状態なので、水分補給を忘れないように。

 早起きが苦手な人や、朝は体が動かないという人は、朝ランだと長続きしないので、自分に合った時間に走ろう。

Q. 走った後のビールとの付き合い方は?

A. 深野さん:実は居酒屋はたんぱく質を取るいいチャンス。ただ、午後8時以降は、生ビールから焼酎やハイボールに移行したほうがいい。

 ビールをおいしく飲むために走るという人は多い。ダイエット中だからといって、ビールを我慢するとストレスがたまって、かえって太りやすくなる。もちろん飲みすぎ、食べすぎは良くないが、居酒屋メニューは気をつけて選ぶと栄養バランスが整うので、ダイエットの大きな味方となる。

 枝豆や豆腐は、ビタミンB群が豊富。お刺し身や焼き魚、鍋物、焼き鳥(脂の少ない部位)などは、たんぱく質を豊富に取ることができる。ふだんの食事で摂取しにくい野菜や海藻、きのこ類もオススメ。NGは空揚げやポテトフライなどの揚げ物。ダイエット中は控えよう。

 やせたいなら、基本的に午後8時以降は食べるのを控えたほうがいい。ただ、なかなかそうもいかないのが現実。8時以降はヘルシーなメニューを意識し、飲みものも生ビールから糖質が含まれていない焼酎やハイボールなどの蒸留酒に変えよう。糖質は血糖値を上げ、カラダに脂肪がつきやすくなる。

AERA 2014年10月20日号より抜粋