神田外語大学のキャンパスには、七つの言語エリアで、それぞれの国の生活・文化を代表する建物が再現されている。ここで異文化体験ができる。写真はベトナムエリア(撮影/写真部・久保木園子)
神田外語大学のキャンパスには、七つの言語エリアで、それぞれの国の生活・文化を代表する建物が再現されている。ここで異文化体験ができる。写真はベトナムエリア(撮影/写真部・久保木園子)
スペインエリア(撮影/写真部・久保木園子)
スペインエリア(撮影/写真部・久保木園子)
タイエリア(撮影/写真部・久保木園子)
タイエリア(撮影/写真部・久保木園子)

 グローバリゼーションが進むなか、大学の語学教育もレベルアップを求められている。実践的なコミュニケーション能力のアップをめざし、ネイティブが常駐して相談にのるなど、至れり尽くせりのところも。

 大学キャンパス内のカフェで、外国人の店員を相手に、ハンバーガーやコーヒーを英語で注文する学生たちの姿があった。日本語の使用は禁止だ。英語の注文に困っている学生は「ヘルプコーナー」でアドバイザーに、フレーズや発音を教えてもらうこともできる。

 近畿大学本部キャンパスに2006年11月にオープンした「英語村 E³(イーキューブ)」。営業時間は月曜~金曜日の10時から18時で、学生たちは授業の空き時間や昼食時などに利用している。

 イーキューブではこうしたカフェの他、外国人講師によるダンス、ギター、料理、クイズ教室、世界文化講座などを開催している。毎月、学生や教職員の有志が音楽イベントを開いたり、スピーチコンテストや、のみの市、クリスマスパーティーにスポーツ大会等、さまざまなイベントを行っている。もちろん、すべて英語で行われる。

 楽しみながら英語に触れる機会を持つことで、英語に対して苦手意識を持つ学生たちがコンプレックスを取り除き、さらには積極的な学習を促す効果を実感しているという。

 名古屋大学では、新入生全員が3段階の習熟度別クラスで英語授業を受ける。カリキュラムを策定する大学院国際言語文化研究科の尾関修治(おぜき しゅうじ)教授は、「研究大学として、学術論文の読解、執筆、発表ができる能力育成が欠かせない」と語る。

 能力別にクラス分けされた新入生は、全員が1クラス40人の授業「英語(基礎)」を受講する。この授業では、学術的な英文に関するリーディング能力とライティング能力を養成する。

 A~Cの3段階のクラスのうち、もっとも基礎のCクラスになった学生には、「英語(サバイバル)」という授業(40人)も追加される。合格しなければ2年次の英語授業を受講できないため、卒業も危ぶまれる。英語が苦手な学生の徹底的な底上げが目的だ。

AERA 2013年3月11日号