夕飯準備の手間を省くため、デパ地下でお惣菜を買ったり、ファミレスで外食したり。働くママの育児コストは「ちりも積もれば山」だ(撮影/写真部・久保木園子)
夕飯準備の手間を省くため、デパ地下でお惣菜を買ったり、ファミレスで外食したり。働くママの育児コストは「ちりも積もれば山」だ(撮影/写真部・久保木園子)

 働きながら子育てをするワーキングマザー。彼女たちは今、働きながら子育てをするためのコストに頭を悩ませている。

 小学4年と保育園年長の2人の男児を育てる、レコード会社勤務の女性(43)は昨年4月、長男が小4になって壁にぶつかった。放課後を過ごしていた学童保育の対象から外れたからだ。放課後の時間潰しのため、仕方なく習い事漬けに。

 週2回の塾に加え、習字とテニスに週末のサッカー。習い事代は全部で月3万円だ。もともとは地元の公立中学校に通えばいいと考えていたが、週2回塾に通わせるには、科目数の多い「受験コース」に行くしかなく、中学受験にも巻き込まれた。

 安全へのコストもかかる。長男には小1からGPS付きの携帯電話を持たせた。仕事中でも居場所確認ができて安心だが、月2千円也。一人で留守番をさせることもあるから、ニンテンドーDSのソフトやDVDなど暇つぶしツールを買い与えることも多い。

「普段働いていて寂しい思いをさせているという後ろめたさがあるから、余計に買ってあげてしまうのかもしれません」

 ただ、どんなに悩んでも、働くことを諦めないでほしいと、ファイナンシャルプランナーで2児の子育てをする吹田朝子さんは訴える。

「子どもが小さいうちはコストがかさんでも、長期的に見れば、共働きの場合と夫だけの給与の場合とでは、収入に歴然とした差が出る。家計に余裕がないため子どもの進路などの選択肢を狭めるようなことがあれば、影響は計り知れない。子どもの手が離れるまでは、細々とでもいいから、将来につながる仕事を続けてほしい」

AERA 2013年1月21日号