旧機器で新しい音楽を表現 「オープンリールアンサンブル」の魅力 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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旧機器で新しい音楽を表現 「オープンリールアンサンブル」の魅力

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 内外のメディアアート、音楽好きの間で話題のバンドがある。「オープンリールアンサンブル」。ミュージシャンの和田永(えい)(25)率いる5人組だ。

「オープンリール」は、1950~70年代に使われた録音・再生用のテープデッキのことで、テープを巻いたリールがむき出しになっている。

 オープンリールアンサンブルは、そんな旧世代の遺物を「楽器」として使う。事前に録音しておいた音や、いままさに演奏している音を録音しつつ再生しながら、テープの進行方向を変えたり回転数を変えたり。テープそのものを突いたり摘んだりして音をゆがめることもある。

 なぜ、20代の若者が昔の機器を使うのか。発端は10代の頃。仕事でオープンリールを使っていた父の友人が、

「要らないから、と大量に持ってきた」(和田)

 電源を入れると、むきだしのままのテープが回る。指で触れると音が「キュルッ」とゆがんだ。「異文化との出合い」として和田の記憶に残った。

 2009年、オープンリールアンサンブルを結成。くしくも前年、国内外の大手メーカーが専用テープの生産を打ち切った。

 この6月に出した初のアルバムでは、テレビアニメ「鉄腕アトム」の効果音を担当した大野松雄、磁気録音テープを日本で初めて作った故・井深大(ソニー創業者)らの肉声を「ゲスト参加」させた。狙いは「磁気録音の歴史を振り返ること」(和田)。その先端に自分たちがいるのだ、と。

AERA 2012年9月24日号


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