「MEMORY メモリー」 5月12日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(C)2021, BBP Memory, LLC. All rights reserved.
「MEMORY メモリー」 5月12日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(C)2021, BBP Memory, LLC. All rights reserved.

 イギリスの北アイルランドに生まれ、ベルファストの劇団で演技を学んだ。舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、28歳で映画デビュー。09年にはおしどり夫婦として知られた妻で俳優のナターシャ・リチャードソンさんを亡くす試練もあった。人生のさまざまを乗り越え、これまでに100本を超える作品に出演。近年はユニセフの親善大使としても活動している。

「親善大使を務めていることを誇らしく思っています。それが演じる役の道徳心や正義感に反映されているとすればうれしいし、そうであってほしいとも願っています。ユニセフの活動には敬意を抱いているんです。例えばユニセフで1ドルを募金した場合、そのうちの95セントがサポートを必要としている子どもたちやその母親などにちゃんと届きます。ほかのチャリティー団体だと募金の40%ほどしか必要としている人に届かないこともありますから」

「僕の人生のターニングポイントは1980年にジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』に出演したことです。それをきっかけにロンドンに引っ越して4年半ほど暮らし、その後アメリカ、ロサンゼルス移って4年ほど、さらにその後ニューヨークに移り、いまも住み続けています。『96時間』でアクション作品に挑戦し始めたのは55歳のときですから、我ながらがんばったと思います(笑)」

「僕は人生には『ウィンド・オブ・チェンジ』(変化の風)が吹くときがあると考えています。その風が吹くと、次のステップに行かなければならないという気がするんです。その思いが自分を動かしてきました。いまのところ風が吹くことはもうないんじゃないかな、と思っていますが、どうでしょうね」

 シニアの星の、さらなる進化に期待大だ。

※週刊朝日オリジナル記事

(フリーランス記者 中村千晶)