岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、京都府・美山の「二人五脚(ににゃんごきゃく)です。

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 かやぶきの里、冷え込む朝。東向きの縁側で、92歳のおじいさんと10歳を超える義経が寄り添う。

撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki
撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki Iwago

 義経に座布団をとられても、おじいさんは「よしよし」。「散歩行くか?」と誘うと「ミャー」と鳴き、お供する義経。お互い、歩調を合わせ、歩いていく。

 10年前、竹林で出会った野良ネコ。目が合うと特別なものを感じた。その日から、かけがえのない相棒になる。一緒に歳を重ね、生きてきた。これからも……。種を超え、支え合うふたりに、心も体も温かくなる。

(取材・文=伏見美雪[本誌])

週刊朝日  2022年12月9日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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