趣味娯楽の分野も節約の例外ではない。スマートフォンに入れているアプリは整理したほうがいい。課金されるものもあるほか、不要なアプリが入っていると、スマホの稼働に時間がかかることもあり、バッテリーを消費しやすい。

 保険も見直したい。荻原さんは、健康保険でかなりの部分をカバーできているという。一方、民間の生命保険は契約内容にもよるが、一般的には入院しないと保険金は支払われない。また、子どもが大学を卒業するまでに親が亡くなると1千万円程度が支払われる生命保険には入っておくのもいいが、「それ以外は必要ない」(同)。

 生活防衛は守りだけでなく、攻めてもいい。持てる技術を生かした副業やアルバイトなどだ。荻原さんは、副業詐欺にはくれぐれも注意してほしいとしながらも、インターネットで探せば、いくらでも募集はあるという。妻が専業主婦なら、パートなどでいいので、共働きを荻原さんは勧める。「家計の状況を一覧表にして、夫婦で共有する。こういうときこそ、夫婦仲良くすることが大切です」(同)

 住宅コストも見直し対象になる。住宅ローンがあると仕方がないが、親の住宅をいずれ相続する可能性があるなら、「早めに同居すると相続税が安くなる」(同)。100坪までなら、相続税が8割引きで、2割の水準にまで下がるという。

 いまの二世帯住宅はアパートのような構造にできるので、一緒に住んだ親がいなくなった後はアパート経営に切り替えることもできるとも。

 東京など大都市に固執しなくてもいいなら、これを機に、生活費の安い地方に移り、リモートで仕事をするのも選択肢になる。荻原さんが徳島県神山町を訪ねると、徳島駅から車で1時間くらいの山の中だったが、IT(情報技術)企業のサテライトオフィスがたくさんあったという。畑つきの家で月3万円ぐらいで借りることができ、仕事をしながら畑仕事も可能だ。子育ての環境もいいと話す。「ライフスタイルを変えて、人生を豊かにするのもいい」(同)

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