年初は1ドル=115円前後だったが……
年初は1ドル=115円前後だったが……

 円安が急激に進んでいる。ついに20年ぶりの水準となった。輸入物価が上昇し続けており、私たちの生活は苦しくなるばかりだ。どのように生活防衛をすればいいのか。有効な資産運用はあるのか。専門家に徹底的に聞いた。

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 為替相場で円安が進行している。年初は対ドルで115円前後だったが、4月20日に129円を付けた。2002年4月以来、ほぼ20年ぶりの円安だ。当面、円安傾向が続くとの見方が多い。

「円安進行やウクライナ情勢などから年内は物価が上がり続けそう。上がらないのは給料や年金だけで、生活はすごく大変になっている」

 こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。生活防衛策として「地道で細かい積み重ねしかない」という。

 荻原さんが勧めるのは、パンや麺より、価格が上がっていないお米を食べること。為替の影響を受けない国産のうえ、昨年の豊作の影響や外食産業の低迷で価格が上がっていないという。

 子どものいる家庭なら、おやつ選びにも苦労する。たとえば、ポテトチップは値段が上がっているので、「おにぎりがいい」(荻原さん)。

 毎日の食事は減らすことができないため、食料品はできるだけロスをなくすことが大切だ。すでにある食料品を重ねて買わないようにするため、買い物前に冷蔵庫をチェックしよう。値段が安く、品質が安心な大手スーパーなどのプライベートブランドの商品を積極的に活用したいという。

 道の駅などの直売所は食料品が安く、インターネットで通販しているところもあるため、利用することを荻原さんはアドバイスする。

 電気料金は、原油価格の高騰で値上がりしている。節電はもちろんのこと、電気契約も見直したい。ひところ人気だった新電力は原燃料の高騰で撤退が相次いでいる。原燃料を長期契約で確保している従来の電力会社のほうが、むしろ電気代が安くなっているという。契約するアンペア数も、家族が多かった昔のままなら、引き下げてみるのもいい。電気を使いすぎるとブレーカーが落ちるので、「気をつけて電気を使うようになる」(同)。

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