こうした“人間力”の育成も医学部受験においては大事だ。試験の点数が合格ラインをクリアしても、面接で不合格となることがある。同校では高校2年までに高校課程を修了し、3年では志望校やコースに沿った授業をするが、コミュニケーション能力も重視する。

「自分の意思を伝える力を養うため、1人最低3回は模擬面接を行います。面接官役の教員3人に対して生徒は1人。3回とも教員は別の者にするので、臨機応変に答える力も養われます」(同)

 続いて公立のランキングを見てみよう。

数値は高校へのアンケートを基にした速報値のため、今後変動することがある。アンケートは合格実績のある学校へ本誌とサンデー毎日、大学通信が合同で実施した。総合型・学校推薦型選抜などの合格者を含む(3月31日現在判明分)。未回答・非公表は掲載していない。現役合格者数を、基準にランキングした。 協力・大学通信 (週刊朝日2022年4月29日号より)
数値は高校へのアンケートを基にした速報値のため、今後変動することがある。アンケートは合格実績のある学校へ本誌とサンデー毎日、大学通信が合同で実施した。総合型・学校推薦型選抜などの合格者を含む(3月31日現在判明分)。未回答・非公表は掲載していない。現役合格者数を、基準にランキングした。 協力・大学通信 (週刊朝日2022年4月29日号より)

 こちらも常連の伝統校が並び、現役の合格者数、合格率ともにトップは札幌南(北海道)だった。ただし、既卒生と合わせた合格者数は、前年より少なかった。

 大きく合格者数を伸ばしたのは11位の岡山朝日(岡山)だ。

 1666年設立の藩校の流れをくむ、全国でも有数の伝統校。出身の著名人には映画監督の高畑勲さんや作家の小川洋子さんらがいて、岸信介元首相も通った時期がある。進路指導課長の田中晴美さんはこう話す。

「今年の医学部志望者は60人弱。共通テストの難化で平均点が下がりましたが、動揺することなく配点が大きい2次試験に臨めたことが合格者の増加につながったと見ています」

 同校では高校3年の2学期が終わるまで学内試験はすべて記述式で行うなど、共通テスト“後”の対策に力を入れている。生徒が普段から「2次力」をしっかりつけていたことが、結果に結びついた。

 将来の職業選択や志望校選びをサポートする取り組みも充実する。1年時の12月には、文理問わず学年全体で地元の岡山大を訪ね、生徒が希望する学部別に班分けして、各分野の研究を見学。2年時には夏と冬に医学部ガイダンスを開き、入試動向や勉強方法の説明に加え、志望学部に進んだ卒業生が大学生活や受験期の体験談を講演するといった態勢を整えている。

 次に女子高のランキングを見ていきたい。

数値は高校へのアンケートを基にした速報値のため、今後変動することがある。アンケートは合格実績のある学校へ本誌とサンデー毎日、大学通信が合同で実施した。総合型・学校推薦型選抜などの合格者を含む(3月31日現在判明分)。未回答・非公表は掲載していない。表は現役+浪人を基準にランキングした。 協力・大学通信 (週刊朝日2022年4月29日号より)
数値は高校へのアンケートを基にした速報値のため、今後変動することがある。アンケートは合格実績のある学校へ本誌とサンデー毎日、大学通信が合同で実施した。総合型・学校推薦型選抜などの合格者を含む(3月31日現在判明分)。未回答・非公表は掲載していない。表は現役+浪人を基準にランキングした。 協力・大学通信 (週刊朝日2022年4月29日号より)

 18年に女性の受験生らが一律に減点されるなど、医学部入試での不正が発覚。文部科学省が実態の調査を始め、21年入試では初めて女性の合格率が男性を上回った。

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