東京五輪で入賞した順大・三浦龍司(大学提供)
東京五輪で入賞した順大・三浦龍司(大学提供)

 高校時代は「箱根駅伝に出られたら満足」だったが今は違う。

「2区か3区を走って、区間賞を狙いたい」

 順大の注目選手は、東京五輪3000メートル障害で7位入賞の三浦龍司(2年)。前回大会は1区で10位。粘れなかったラストの走りを「最後の追い込みの期間でケガをしてしまって、コンスタントに練習することができず、コンディショニングがしっかりできていなかった」と振り返る。

 トラック競技に強い三浦はロードに苦手意識があったが、全日本大学駅伝では2区を走り10人抜きの快走。長門俊介監督は目標順位を「総合3位(往路も復路も)」と掲げるが、「選手たちが目標は総合優勝と口にしても、それを後押しできるチームに成長できたと思っている」と話す。

 前回、往路優勝、復路も大手町のゴール手前2キロまでトップ、総合準優勝だった創価大。渡辺さんが注目するのは、4年生の嶋津雄大だ。前回は4区を走り、東海大を抜いて首位になるなど往路優勝の立役者となった。

「目の病気を患っていながら活躍している嶋津はよく頑張っていると思います。応援したくなります」(渡辺さん)

 創価大はエントリーメンバーの中に前回箱根を走った5人がいる。チームワークの良さが強みという今チーム。榎木和貴監督は、往路優勝、総合3位以内を目指す。

◆初出場の駿河台 監督采配も注目

「駒大のエース田沢と青学大の近藤幸太郎。この2人の対決は見ものでしょう。おそらく2区か3区。僕の予想では、東京国際大は2区にヴィンセント、3区に丹所。いずれも区間賞候補。非常に見応えがあると思います」(渡辺さん)

 監督対決もおもしろい。

「大八木監督と青学大の原晋監督という、つくっている雰囲気が全く違うカラーの優勝候補チームの監督対決も楽しんでほしいですね。最近はマイクの性能も良くなり、運営管理車の助手席から監督が選手にかける声もテレビマイクが拾います」

 日ごろから選手の心をつかんでいる指導者たちが、どんな言葉をかけて選手の背中を押すのか。選手の頑張りもテレビ画面を通して楽しみたい。

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