ところで、もう一人の有力候補の石破茂元幹事長はどうか。石破氏は、脱原発派でも利権破壊派でもないが、安倍前総理の政治姿勢を真っ向から批判し、昨年の総裁選では森友学園問題について再調査に言及した。「モリ・カケ・サクラ」にうんざりし、「安倍政治」の終結を望む国民世論をバックに人気は高い。仮に、石破氏と河野氏が連携すれば、総裁選の戦いには、「安倍政治の終結」というテーマが加わる。

 日本を救うには、脱原発や再エネ振興策を進め、自民党の長老支配の利権派閥政治に別れを告げること、そして、私益のために国政を食い物にする「安倍政治」を終結することが必須だ。

 安倍、麻生、甘利氏による3A連合は、最後は岸田氏支持に回るはずだ。その時、河野・石破、さらに小泉進次郎環境相の三者によるKIK連合ができれば、国民は熱狂し、河野氏勝利となる。その結果は、利権破壊・世代交代、そして「安倍政治」終結である。ただし、河野氏が森友問題の再調査と脱原発を明言することが条件だ。河野氏には迷わず、この最終戦争に突入してもらいたい。

週刊朝日  2021年9月24日号

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古賀茂明

古賀茂明

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など

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