“絶対に負けられない戦いが、そこにはある!”のフレーズで長くW杯予選を中継してきたテレビ朝日の熱血解説でもおなじみ、松木安太郎さんは、W杯予選の位置づけ自体の変化を指摘する。

「かつては日本代表がギリギリで本大会に行けるかどうかだったが、いまは出場枠の増加や日本のレベルアップで、その状況は変わってきた」

 W杯予選は「誰もが手に汗を握って見るもの」ではなくなった。ならばテレビ局も巨費を投じてまで放映権を得るのは難しいということだろう。

 代表人気にも陰りが見えている。数年前までチームの中心には本田圭佑や香川真司らスターがいて、長谷部誠や内田篤人ら、サッカーファンでなくともその名を知る選手がいた。今はどうだろうか。東京五輪ではメダルを期待されながら、あと一歩届かなかった。最終予選では新たなスターの登場も待たれる。(栗原正夫)

週刊朝日  2021年9月10日号

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