「最大野党の代表の地元としては寂しい限り。どれだけ奪還できるか、枝野氏にとって正念場です」(角谷氏)

 千葉も前回は全13選挙区中、自民が12勝と圧倒した。4区の立憲・野田佳彦元首相を除き、今回も野党勢は苦闘が想定される。その中で角谷氏が「立憲の有望株」と注目するのが7区の新人、竹内千春氏だ。

「日弁連国際室室長という切れ者。毎日きっちり辻立ちをしているらしく地元の評判もいい。選挙区で勝つのは難しいでしょうが、比例復活の可能性があります」

 神奈川は菅首相の地元。緊急事態宣言のさなか、銀座のクラブで飲食した問題で離党した1区の松本純・元国家公安委員長は無所属で立つが、苦戦が予想される。3区は横浜市長選に小此木八郎・前国家公安委員長が出るのに伴い、自民は参院議員の中西健治氏を立てた。だが角谷、松田両氏とも立憲新人の小林丈人氏が有利とみる。

■小池氏復帰なら東京9、10区か

 首都・東京は「石原兄弟」の当落に注目だ。宏高氏の3区は前回、約4万5千票を取った共産が候補者の擁立を見送ると形勢は一気に逆転する。松田氏は「宏高氏は苦戦が避けられない。8区の兄、伸晃氏は選挙に強くはないが、野党候補の乱立のおかげで救われそうです」と説明する。

 松田氏は12区にも熱視線を注ぐ。公明は今回、太田昭宏前代表が守ってきた選挙区を岡本三成氏に譲る。維新も新人の阿部司氏を立てる。

「大胆予想ですが、共産の池内沙織氏が勝つ可能性があります。共産は前回、14年衆院選の倍近い約8万3千票を取っています。この選挙区は公明にも共産にも入れたくないとして白票が多いのですが、今回は維新が出ることで、自民支持層の一部が維新へ流れ、岡本氏の票が削られると見ています」

 小池百合子氏が国政復帰を狙うなら、選挙区は公職選挙法違反事件で公民権停止となった元自民、菅原一秀氏がいた9区とみられている。ただ角谷氏はこんな見方を披露した。

「9区には、参院から衆院にくら替えしたがっている丸川珠代五輪担当相を持ってくるとの情報もある。それより10区の鈴木隼人氏の動きが鈍く、むしろこちらを小池氏に明け渡す可能性があるのではないか」

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