増加する土砂災害 専門家らが訴える法整備「熱海は非常に大きな教訓」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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増加する土砂災害 専門家らが訴える法整備「熱海は非常に大きな教訓」

亀井洋志,西岡千史週刊朝日#台風・水害
今回の静岡県熱海市伊豆山 (c)朝日新聞社

今回の静岡県熱海市伊豆山 (c)朝日新聞社

 静岡県熱海市の土石流は「盛り土」の崩壊で起きた“人災”の可能性が高まっている。さらに今回の熱海だけでなく、一昨年の台風19号で12人の死者・行方不明者を出した宮城県丸森町や、昨年7月の豪雨で大きな被害を受けた熊本県球磨村でも行われていた、森林伐採が一因だという指摘も。土砂災害は今後どこで発生しても不思議ではない。

前編/“人災”多い土砂災害 熱海市、丸森町、球磨村の共通点】より続く

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 平地が少ない日本では、今後も山地での宅地造成やメガソーラーなどの開発が見込まれる。一昨年の台風19号の影響で土石流が発生し、実家が全壊した菅野由香理さんは言う。

「被災した地域は、『災害に強い地域作り』を掲げるのですが、その前に『災害が起きないようにすること』が大切です。人間が原因を作った災害は、人間の力によって防ぐことができます。日本中で再び同じ災害を起こしてほしくありません」

 一方、近年の土砂災害では、大雨の影響も無視できない。

 熱海の場合、7月1~3日の48時間の連続降水量は合計で321ミリ。時間降水量は最大で27ミリだ。9日には山口県岩国市で1時間に約100ミリの雨が降ったことと比較すれば、それほど強い雨とは思えない。山口大学大学院の山本晴彦教授(環境防災学)はこう見る。

「長時間だらだらと降り続いたのが、ボディーブローのように効いた可能性もあります」

 当日、伊豆山の崩落現場以外では土石流は起きておらず、今回のように人為的な要因と雨が絡んで引き起こされた災害である可能性が極めて高い。

 再発防止策として、京都大学防災研究所の釜井俊孝教授(応用地質学)はこう提言する。

「建設残土が廃棄されている現場が全国にはたくさんあります。国と自治体はすべての残土処分地を調べ上げ、分布図を作って住民に公開するべきです。さらには建設残土などの適正処分については、いま自治体の条例しかないので、国に『残土処分法』の新設を求めたい。廃棄物処理法と同じようにマニフェスト制度を導入して、不法投棄を防止するため残土処理の流れを把握することが必要です」


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