帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
85歳になっても元気な帯津先生
85歳になっても元気な帯津先生

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「85歳になってみたら」。

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【数値改善】ポイント
(1)85歳を迎えた私の体に思いがけない変化が
(2)長年悪かった健康診断の数値がよくなってしまった
(3)変わったことは梅肉エキスと昆布のだし汁ぐらい

 実は先日、85歳になりました。90歳にはまだ5年もありますが、歳をとってしまったものです。ところで、85歳を迎えて、私の体に思いがけない変化が見つかったのです。

 以前に書いたことがありますが、年に2回やる健康診断の数値が私の場合、決してよくありません。でも、そのこと自体は気にしていないのです。数値が多少悪くても、生命(いのち)が躍動していれば健康だというのが私の考えですから。

 どんな数値かというと、例えば肝機能の指標となる「γ‐GTP」が302だったり228だったりします。正常値は80なのに20年ぐらい高値安定なのです。エコーで検査すれば「脂肪肝」だと診断されます。腎機能は、もともと先天性腎嚢胞(のうほう)があって正常値には届いていません。まさに毎年、数値は“満身創痍(まんしんそうい)”なのです。しかし、それで安定していて、体調も悪くないので特に問題はありません。

 ところが、85歳になるに当たって健康診断をしたら、数値が変わってしまったのです。なんと、その変化はいい方向に向かってなのです。

 まずγ‐GTPが正常値に近い90まで下がりました。エコーで検査しても、脂肪肝が見つかりません。腎機能はクレアチニンが高めだったのが正常値になりました。「eGFR」は90以上が正常なのですが、ずっと40台でした。それが56と初めて50台になりました。

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帯津良一

帯津良一

帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中

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