午前1時近くになり、警察官に取り押さえられていた男性は、シートでグルグル巻きにされていた。少し前まで大声を上げていたが、おとなしくなっていた。警官数人が男性をパトカー後部座席まで運ぶと、再びサイレンを鳴らし、走り去っていった。 

 記者は歌舞伎町の奥、ホストクラブ街へ足を向けた。この地域は同じ歌舞伎町内でも、居酒屋や飲食チェーン店なども多い南側(歌舞伎町1丁目)とは違った「顔」を見せる。 

 特に、花道通りから職安通りにかけての一角(同2丁目)はラブホテルと、ホストクラブが入居する「ホストビル」が林立。その隙間の再開発地に、近年はインバウンドをターゲットにした大手ビジネスホテルチェーンが次々と出店し、夜と昼の別の顔が混然とした不思議な街並みだ。 

 新宿区保健所によると、歌舞伎町1、2丁目の飲食店の営業許可件数は、3900件超(2020年7月末現在)で、そのうちキャバクラやスナック、ホストクラブなどは約2200件。 

 ただ、これはあくまで申請を受けて許可を出している件数で、実際に稼働している店の件数は、「おおまかにみて半分あるかないかでは」(同保健所)。 

 歌舞伎町などに詳しい風俗ウェブサイト記者は、そのうちホストクラブの店の数についてこう推測する。

「ざっと300店舗。昨年4、5月の営業自粛とクラスターの多発で一時的に減ったものの、昨秋から再び増え出し、今では昨年の同時期より多いのではないか」 

この地区は午前1時過ぎともなると、ホスト目当ての女性や客引きのホストばかり。一人でコートの襟を立てているオッさん記者は浮いている。 
しかし、風営法ではホストクラブは0時までしか営業できないのでは……?

「基本的にはそうなんですが、歌舞伎町1丁目、2丁目は1時まで営業が認められる『風俗営業の営業延長許容地域』なんです。ただ1時以降も営業している場合は明らかに闇営業。法律違反ですね」(前出の風俗記者) 

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新成人、お年玉でホストクラブに