米アップルが10月14日に発表した新型iPhone(アイフォーン)は、次世代通信「5G」に初めて対応するものだ。NTTドコモやKDDI、ソフトバンクは同16日から予約を受け付け、23日から順次販売を始める。国内のスマホで圧倒的なシェアを持つiPhoneで5Gの対応機種が出たことで、日本でも“5Gシフト”が本格化しそうだ。
5Gは通信速度が今の4Gの10倍、送れるデータの容量が1000倍になるなど高速・大容量の通信ができる。スマホに映画などの大容量の動画をダウンロードしやすくなったり、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のサービスをより簡単に楽しめたりできる。加えて、家電や自動車など、身の回りのあらゆるものがネットにつながる「IoT」も加速するとみられている。
では、どんな会社が大きな恩恵を受けそうか。本誌はAI(人工知能)で企業の業績を予測するベンチャー企業ゼノデータ・ラボの協力を得て、5Gが普及すると業績が上がる会社をランキング化した(表)。同社は、経済イベント同士の関係を分析したデータベースや、全上場企業の決算短信や有価証券報告書などの開示資料をもとに、ある経済的な出来事が起きた場合の分析を行っている。各社への業績への影響度は、マイナス100からプラス100までの数値で示す。
ランキング上位には、通信・放送用アンテナを手がける1位の日本アンテナをはじめ、傘下に携帯電話会社を抱えるソフトバンクグループ(7位)、通信インフラに強い日本電気(NEC、11位)などが入った。4位の九電工や6位のトーエネック、8位のヤマトなど電設工事や、18位の協和エクシオなど通信工事を手がける会社も目立つ。
5Gに対応した基地局やデータセンターなど通信インフラや、オフィスや工場のネットワーク環境の整備が進むとみられているからだ。今回のランキングからは漏れたが、大手携帯会社向けの基地局設置工事を手がける通信工事会社は「5G関連の工事は採算がいい。コロナで先送りされた計画も一部でありますが、法人や工場単位で導入を進める『ローカル5G』の案件獲得も狙っています」(広報担当者)と話す。