相続でもめない「最強の遺言」とは? 40年ぶり相続法“大改正”で何が変わる

遺産相続

2020/03/30 08:00

相続ケースごとの遺留分の割合 (週刊朝日2020年4月3日号より)
相続ケースごとの遺留分の割合 (週刊朝日2020年4月3日号より)
予備的遺言の条文のイメージ (週刊朝日2020年4月3日号より)
予備的遺言の条文のイメージ (週刊朝日2020年4月3日号より)

「仲良くきょうだいで遺産を分けてほしい」。親ならこう願うはずだが、相続争いが後を絶たない。「遺言があり、それが必要なポイントを満たしていれば、まずもめることはない」と断言する相続専門のベテラン税理士がいる。40年ぶりの相続大改正が進行している今、「最強の遺言」づくりを指南してもらおう。

【予備的遺言の条文のイメージはこちら】

 せっかく法的に有効なものを作っても、内容面で不備があれば思い通りの相続ができなくなる。

 約25年間、手がけた案件は1千を超す相続専門の税理士、廿野(つづの)幸一さん(50)は、この点での一つ目のポイントは「遺留分」に配慮することだという。

 遺留分とは、一定の法定相続人に最低限保障された遺産の取り分(割合)のこと。実際の相続でそれに足りない場合、請求すれば足りない分をもらうことができる。基本的には「法定相続分」の半分が遺留分となるが、兄弟姉妹には遺留分はないなど注意点もある。

 例えば、配偶者(母)と子が相続するケースでは、それぞれ遺産の4分の1ずつが遺留分となる。子が複数いる場合は、その4分の1をさらに人数で割った分がそれぞれの遺留分だ。

「法定相続人が不足分を請求しなければ遺言はそのまま執行できますが、請求されれば遺留分を満たす必要が出てきます。それぞれの相続人の遺留分を満たすように、遺言を作っておけば安心です」(同)

 自宅が遺産の大半を占めるようなサラリーマン家庭で、遺言で長男だけに自宅を引き継がせると、ほかのきょうだいの遺留分を満たせないケースが出てくる。

 例えば、自宅(土地と建物の評価額5千万円)と預貯金(1千万円)の計6千万円を長男と次男2人で相続する場合、それぞれの遺留分は法定相続分3千万円の半分の1500万円。自宅を長男が相続すると、預貯金を全部次男に相続させても500万円分足りない。

「キャッシュを準備できそうもないのなら、親が被保険者で長男を受取人にする生命保険に親が入っておくのが一番やりやすい方法です。保険金は受取人固有の財産になり、基本的に相続に左右されません。このケースでは500万円分の保険をかけておけば、長男が次男に保険金を渡せば遺留分を満たせます」(同)

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