北陸新幹線にはかなり危機感 JR西日本新社長が語る「東京五輪と災害」

2020/02/15 11:30

長谷川一明(はせがわ・かずあき)/1957年、三重県生まれ。東京大学法学部卒、81年に旧国鉄入社。2008年、JR西日本執行役員岡山支社長、12年、同取締役兼常務執行役員近畿統括本部長、16年、同代表取締役副社長兼執行役員創造本部長 (撮影/MIKIKO)
長谷川一明(はせがわ・かずあき)/1957年、三重県生まれ。東京大学法学部卒、81年に旧国鉄入社。2008年、JR西日本執行役員岡山支社長、12年、同取締役兼常務執行役員近畿統括本部長、16年、同代表取締役副社長兼執行役員創造本部長 (撮影/MIKIKO)

 2020年の東京五輪、23年春の北陸新幹線敦賀開業、25年の大阪・関西万博、31年には関西空港と直結する「なにわ筋線」開業……。ビッグプロジェクトが目白押しの関西で注目されるのは、昨年12月、JR西日本の新社長に就任した長谷川一明氏(62)の舵取り。その展望を聞いた。

*  *  *
──東京五輪に向けてプランは?

「関西は外国からのお客様がここ数年ずっと伸びてきています。関西を起点として中国地方、瀬戸内地方、それから首都圏から北陸エリアなど広範囲でご利用いただいています。昨年、開催されたラグビーワールドカップでも関西や九州まで足を延ばされた訪日のお客様が多数、いらっしゃいました。東京五輪でも多くの方が関西、中国、北陸エリアにもお越しになるかと思います。中国、東南アジアや欧米豪も含めたエリアをターゲットとして、ジャパン・レール・パスの指定席ネット予約対応など電子チケット化を急いでおります。また海外の有力プラットフォームと連携し旅行会社向けのネット予約を進めてもいます」

──乗務員の英語研修はされているんですか

「はい。次はどこだとか、最低限のことは英語でも案内をしております。最初は職場研修をしても躊躇(ちゅうちょ)しながらやってましたが、たどたどしい英語も誠意を感じていい、というお客様の声をいただき、自信も出てきました。乗り換え案内などきめ細かい案内を英語でもできる社員も少しずつ増えております。主要駅では翻訳機の配備、乗務員にはWi-Fiの環境を整えてタブレットを持たせて、多言語で対応できるようにもしています。災害など非常時には駅以外でもツイッターなどSNSで中国語、英語、韓国語等でご案内できる環境を整えています。

──電車内でも外国人の観光客が多いですね

「外国人の方の大きな荷物にも対応しなきゃいけないので、JR東海とも連携して新幹線で荷物を置くスペースを工夫しております。関西空港から大阪・京都へ行く『はるか』や山陽新幹線を増強し、訪日のお客様の増加にも対応したいと思います」

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