続いて、検察官側の被告人質問が行なわれた。

 検察官が「いつでも止められると言っていたのに、なぜ止めなかったの?」と問いかけると、沢尻被告は「いつでも止められると思っていたのが大きな間違いでした」。

 検察官が「他の芸能人が薬物で逮捕されたことを報道で見聞きしていて、わかっていましたよね」と突っ込むと、沢尻被告はうなずいた。
検察官は「何で止めないの?」と問う。沢尻被告は黙ったまま20秒ほどたち、「悪の誘惑を断つことができませんでした。コントロールできるという自分の考えが甘い考えだと思います」と答えた。

 検察官が「なぜ、甘い考えを抱いていたの?」と冒頭の問いが続いた。

 沢尻被告は「自分の中で、有名人だったということです」と答えを出した。検察官は「薬物は再犯率が高いですよ。再犯するでしょう。どうしたら再犯しないようにできますか?」とたたみかける。沢尻被告は「言うのは簡単ですが、しっかりやらないと、と心に誓っていきます」と言った。

 次に裁判長が「MDMAやLSD,大麻は法律に違反していますよね? 抵抗感はなかったんですか?」と沢尻被告に問いかけると、「嘘をついていることに対しては後ろめたい気持ちはありました」と答えた。

 さらに裁判長が「薬物使用を断らなかったの?」と言うと、「交友関係があってできませんでした。止めたいとも思っていましたが、結果断ち切ることができませんでした」と沢尻被告。

 裁判長が「女優復帰は考えてないんですね?」と確認するように言うと、沢尻被告は「はい。今の仕事は無職です」と答えた。検察側は論告求刑をする。

「被告人は19歳から大麻やLSD,MDMAを使用していた。違法性は十分理解しながら、安易に、バレなければいいと考えて使い続けてきた。今も入手できる環境にあり、再犯に及ぶ危険性は高い。よって求刑は1年6月に処するものとする」

 沢尻被告の弁護人は次のように最終弁論した。

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沢尻被告の懺悔