初公判に出廷した沢尻エリカ被告
初公判に出廷した沢尻エリカ被告

 合成麻薬MDMAやLSDなどを所持していたとして、麻薬取締法違反で起訴された沢尻エリカ被告の初公判が1月31日、東京地裁で開かれた。その詳細をレポートする。

 沢尻被告は初公判で「女優には復帰は考えていません」と宣言し、驚かせた。裁判長からも「女優復帰は考えていないんですね」と確認され、
「はい、今の仕事は無職です」と答えた。

 検察官に「なぜクスリをやめないのか」と問われ、20秒ほどの沈黙の後、「悪の誘惑を断つことができませんでした」と答えるシーンもあり、映画のようなワンシーンもあった。

 沢尻被告は髪は黒く、後ろでまとめたポニーテール。

 裁判長から「公訴事実について間違いはありますか」と聞かれ、「間違いありません」と答えた沢尻被告。弁護人も「公訴事実を争いません」と補足した。

 検察官が読み上げた冒頭陳述では、「19歳の頃から大麻、コカイン、MDMAを服用するようになった。薬物の入手ルートは知人女性と知人男性」と明かされた。

 続いて、女性検察官が証拠物を朗読し、逮捕時の様子も詳しく述べられた。

「(沢尻被告が逮捕された)11月16日は、被告がお守り袋とアクセサリーケースの中にMDMAがあったため、緊急逮捕した。お守り袋の中からはLSDが発見された。また、冷蔵庫のプラスチック容器からLSDの液体が見つかった」

 続いて所属するエイベックスの担当者の書面が読み上げられた。

「今回、取引先、ファン、社会の皆さまにお詫びします。違法薬物は許されません。女優は社会に影響を与えます。多くの人が関わる職業なので、当社もこの件を重く見て、信頼回復に努め、指導をしていきます。沢尻本人は、『信用していただいた方を裏切ってしまい、申し訳ありませんでした』と、涙を流して話していました。二度と同じことを繰り返さないように、薬物についての勉強に取り組んでいます。薬物の恐ろしさがわかったと思います。更生に努めるとともに、携帯の解約、通院の継続をし、安定した社会生活を送れるようにしてほしい。今後どうするかはいまだわかりません。芸能界以外の仕事も、今後考えるかもしれませんが、個人的にはいつかまた、女優として復帰してほしい思いはあります。女優は世間の理解と支援がないとできません。いつか社会が許してくれるのであれば、女優復帰が前提ではありませんが、今後の道を、選択肢を自分で選べるよう支援を続けていきたいと思います」

次のページ
沢尻被告は幻覚ない