「今年も豪雨や台風が確実に来ると見たほうがいい」
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こう警鐘を鳴らすのは山梨大の秦康範准教授だ。地球温暖化の影響もあって、台風や豪雨などの頻度が高まっているという。2019年は9月に、台風15号が千葉県などで大規模な停電を引き起こした。10月には台風19号による河川の氾濫(はんらん)が相次ぎ大きな被害が出た。
「ここ数年は大きな災害が毎年のように起きています。雨の降り方が確実に変わった。想定を超えるような台風や豪雨が常態化しつつあります。ダムや堤防で防ぐのが難しく、住民が適切に避難することが重要です」(秦准教授)
東京五輪・パラリンピックの開催時期は台風や豪雨のリスクが高い。巨大台風が直撃し、大混乱に陥る恐れもあるのだ。日本人でも避難がままならないのに、開催期間中に東京だけで1千万人を超えそうな外国人観光客への対応は困難だ。
「ラグビー・ワールドカップでも開催中に台風が直撃しており、台風直撃は十分にあり得るシナリオです。ホテルなどではスタッフが避難誘導できても、民泊ではどうするのかなど課題は多い。外国人観光客に適切な情報を届ける仕組みづくりが求められています」(同)
巨大地震も要警戒だ。立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学教授は、「不穏な動きは出ている」と指摘する。注目するのはフィリピン海プレートの動き。南海トラフ巨大地震に関わりそうな地震が、和歌山県と徳島県の間の海域や高知県西部で起きている。
「地震の巣」である相模トラフも危険だ。海側のプレートが陸側の下に沈み込んでいて、首都直下地震につながれば壊滅的な被害が生じかねない。沖縄の島々の東側に沿ってある琉球海溝でも地震が頻発している。