火山活動も活発になっている。19年10月には鹿児島県の口永良部島で火山性地震が多発。11月には同県の薩摩硫黄島、続いて桜島も噴火した。

「これらの活動を見ると、南海トラフと連動して相模トラフや琉球海溝も動く、『スーパー南海地震』の可能性が高まっているかもしれません。地震はいつ起こってもおかしくないと警戒するべきです」(高橋教授)

 スーパー南海地震のような大地震が起こると、富士山や箱根山、浅間山などの噴火につながる可能性もある。そうなれば交通機関はマヒし、物流は大打撃を受ける。

「火山灰が降ると、電子機器などが使用しにくくなり都市機能は大きく低下します。物流も止まり、輸入する食材が不足するリスクがある。これは致命的になりかねない。政府は対策を進めていますが、十分とは言えません」(同)

 やはり最悪の事態を想定しておくべきだ。避難場所の確認や水・食料の確保など、自分で自分の身を守れるように備えておこう。(本誌・吉崎洋夫)

週刊朝日  2020年1月17日号

著者プロフィールを見る
吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

吉崎洋夫の記事一覧はこちら