又吉直樹が語る沖縄のルーツと『人間』 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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又吉直樹が語る沖縄のルーツと『人間』

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小島清利週刊朝日
又吉直樹さん(撮影/植田真紗美)

又吉直樹さん(撮影/植田真紗美)

 又吉直樹さん(39)の新作『人間』(毎日新聞出版)は初の長編小説で、「ハウス」と呼ばれる共同住居で暮らし、何者かになろうとあがいた若者たちのその後を描いた。2015年に芥川賞を受賞した本格的なデビュー作『火花』、映画の劇場公開が発表になった『劇場』に続く3作目。芸人と作家の「二刀流」を続けながら、尽きることのない創作意欲の源に迫った。

――『人間』は平成と令和をまたいだ新聞連載(「毎日新聞」夕刊で18年9月3日~19年5月15日)です。

「スタートの時点では、ハウスという空間があって、そこには芸術を志す若者がいて、主人公は嫉妬のような感情を抱えていて……といった何となくの設定はありましたが、後は流れの中で書きました。連載中に感想を知らせてくれる人がいて、『あの人にまた登場してほしい』とか、『あのテーマが今後掘り下げられていく気がします』といった声が頭に残っていて、無理やりというわけではないのですが、物語に反映させることがありました」

――芸人の仕事が忙しい中で、新聞連載をやり通すのはつらかったですか。

「若いころから雑誌でエッセーの連載などをやらせてもらっていたので、何となく、自分のペースというか、どういう状況で書けるか、体感で分かっていたつもりです。芥川賞を受賞した時、『これからも、芸人も作家も100%で頑張ります』と便宜上言いましたが、実はそう公言する10年前から、ずっとそういう生活をしていました」

「でも、小説はエッセーよりも時間がかかるし、疲れます。正直、新聞連載は今までで一番大変でした。大変だろうなと覚悟していましたが、まさかここまでとは思わなかった。体力的にしんどいし、(出稿が遅れて)人に迷惑をかけるのではというプレッシャーもありました。それでも、書くのも考えるのも好きだから、楽しんでいる部分がありましたね。変態かもしれませんが、締め切りが明後日の夕方に迫り、今日は仕事がないという夜には、うれしくてむちゃくちゃテンションが上がりました。とても良い経験でした」


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