●キャッシュレス決済ならポイントサービスを受けやすい。来年6月までは中小の小売店や飲食店なら5%分、コンビニや飲食チェーンなら原則2%分が戻ってくる

●高齢者向けの補助をきちんともらう。医療や介護では自治体独自の給付制度もある。住宅リフォームに助成金が出ることも。医療費控除といった税金の還付も忘れずに。ふるさと納税は返礼品ももらえるので、所得に応じて検討する

●定期預金に入れても金利はほとんど期待できない。高齢者も必要なお金は残しつつ、資金の一部は投資に回してもよい。生活費で取り崩す分を計算し、無理のない範囲でやる。投資は元本割れに注意

●2018年から始まった「つみたてNISA(ニーサ)」は、毎年40万円まで、最長20年間(非課税投資枠は最大800万円)の積み立て投資の運用益が非課税対象となる。販売手数料のかからない低コストの投資信託が選べる

●個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」や国民年金基金は税制面でメリットが大きい。イデコはいまは原則59歳までしか入れないが、64歳までの延長が検討されている

 例えば、キャッシュレス決済のポイント還元。クレジットカードや電子マネーなどで代金を払うと、2~5%分のポイントが返ってくる国の制度が始まっている。企業独自のポイント還元サービスもあり、見逃す手はない。うまく使うと月数千円は得になるはずだ。

 国や自治体が用意するシニア向けの給付金制度も忘れてはならない。自治体によっては、自宅のバリアフリー工事代や介護用品の購入代などを支援する制度もある。こうした公的な制度は原則として申請しないともらえない。いろいろあって条件も複雑なので、国や自治体の窓口で相談する。

 10カ条でも指摘しているように、余裕がない「貧乏老後」になってしまう大きな原因は借金だ。ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんは「借金があるかどうかで老後の生活には大きな差がつく」と話す。

「できるだけ早いうちに、住宅ローンの繰り上げ返済や借り換えなどで、月々の負担を減らしておくべきです。ローンが残っていると、働かざるを得なくなります。せっかくの退職金も、ローンの返済にあてれば相殺されてしまいます。遅くても65歳くらいまでには、返済のめどをつけるようにしておきましょう」

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