消費税の軽減税率とポイント還元制度のポスター
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老後の家計にゆとりをもたらす10カ条 (週刊朝日2019年11月22日号より)
老後の家計にゆとりをもたらす10カ条 (週刊朝日2019年11月22日号より)
具体的な節約術と貯蓄・運用法 (週刊朝日2019年11月22日号より)
具体的な節約術と貯蓄・運用法 (週刊朝日2019年11月22日号より)

 消費税が上がり、社会保障の負担増もあって生活は苦しい。年金も当てにならず、老後の不安は増すばかりだ。ゆとりのある暮らしを実現するにはどうすべきか。“金持ち老後と貧乏老後”の分かれ目は今。まだ間に合う対策を紹介しよう。

【具体的な節約術と貯蓄・運用法はこちら】

 金持ち老後を実現するには、家計にゆとりをもたらすことが大切だ。収入より支出が上回り、自分の蓄えが毎月減っていくのを知ると、どうしても不安になる。支出を月1万円でも減らせれば、長い目で見ると、大きな差になってくる。ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、「限られた資産の寿命を少しでも延ばすには出費を抑えるのが基本」と話す。

 見直し効果が大きいのが生命保険だ。生命保険文化センターの調査によると、60代でも年間30万~40万円の保険料を払っている人が多い。蓄えがあって子どもが自立しているのなら、死亡保障のための保険はやめてもいい。医療保障も公的制度があるのでたくさん入る必要はない。高い医療費がかかっても、一定額に抑えられる制度もある。

 保険の見直しでは、「お宝保険」は残すようにしたい。バブル経済のころに契約した保険には、予定利率が高く有利なものもある。保険会社から契約変更を勧められても、お得な保険は維持しよう。

 通信費や光熱費など、毎月支払う固定費も削減効果が大きい。固定電話を解約し、スマホを格安なものに変えると、月数千円はカットできる。

 こうした節約術や収入の増やし方、貯蓄・運用法などをまとめたのが、下の「老後の家計にゆとりをもたらす10カ条」だ。簡単なように見えても、実際にはできていないこともあるはずだ。

【老後の家計にゆとりをもたらす10カ条】(専門家への取材をもとに編集部作成)

■収入を増やす
・65歳以降も元気なうちはなるべく働いて年金以外の収入を確保する。一人だけでがんばらずに、妻や家族みんなで協力

・長く働くと年金の加入期間が延び、年金もそれだけ増える。自分がどれだけ受け取れるかを早めに把握しよう

・健康に自信があるなら年金の受給開始年齢を66~70歳に遅らせる。1カ月の繰り下げごとに年金額は0.7%アップ。未納期間があるなら任意加入や追納で受取額を増やそう

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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