■支出を減らす


・生命保険を見直す。息子や娘が自立しているなら、手厚すぎる死亡保障や医療保障などの契約をやめる

・老後の借金は重荷。住宅ローンの繰り上げ返済や借り換えなどで月々の返済負担を減らす。ほかの借金も早めに減らしたい

・こまめな節約を徹底する。通信費や車の維持費、光熱費は削減効果が大きい。格安スマホを利用したり、車を手放したりして固定費を削る。ポイントサービスも活用

・高齢者向けの特典を見逃さない。様々な割引サービスやキャンペーンがある。キャッシュレス決済のポイント還元も利用する。うまく使えば生活費を抑えられる

■貯める・運用する
・高齢者でも資金の運用を検討しよう。税優遇のある「つみたてNISA(ニーサ)」は活用しやすい。高リスクの金融商品は避けて、利回りが狙える投資信託などがお薦め

・医療や介護、リフォームなど公的支援制度の補助のもらい漏れを防ぐ。申請しなければもらえないものが多いので要チェック

・不動産など値下がりが想定される資産は早めに手放す。実家の土地などは塩漬けになる前に売却を検討する

 10カ条の中でも、節約術と貯蓄・運用法について、より具体的にまとめたのが下記だ。

【具体的な節約術と貯蓄・運用法】(専門家への取材をもとに編集部作成)
●生命保険は見直し効果が大きい。ある程度の蓄えがあれば、死亡保険は思い切って見直す。国民健康保険など公的制度があるので、医療保険もたくさん入る必要はない。ただし、予定利率が有利な古い「お宝保険」は残す

●ほとんど使わない固定電話は解約。スマホは格安契約に変えると毎月の料金を大きくカットできる。月数千円安くなることも。家族割引などお得なサービスも見逃さない

●光熱費も減らせる。電力とガスは小売りが自由化され様々なサービスがある。年間数千円から数万円安くなることも。たくさん使う世帯ほど節約効果が期待できる

●マイカーの維持には駐車場代や税金などがかさむ。公共交通機関がある地域は手放すことを検討。必要なときはカーシェアリングやレンタカーを利用すれば安くすむ

●生活費は1カ月で使う予算をまず決める。支出がその範囲を超えないよう、毎日やりくりする。とくに高齢者は支出に占める食費の割合が膨らみがち。食料品は計画的にまとめ買いしたほうがお得

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