「天皇は国の象徴。この問題について熱心に議論している議員は野党側ばかりで、全体的に見れば少ない。皇室問題を考えない国会議員はその資格はない。国会議員が主導して国民的な議論をしていくべきだ」

 一方で、女系天皇の賛否については慎重な姿勢を見せる。

「歴史的にも先例のある男系の女性天皇を認めるべきだ。それに伴って女性宮家も整備する。女系天皇については、長く続いてきた皇室の歴史の中でも例がなく、慎重に考えるべきだ」

■国際的に女系天皇の誕生ないと厳しい/碧水会・嘉田由紀子

 前滋賀県知事の嘉田由紀子・参議院議員は、女性天皇を認めるべきだという主張だ。女性天皇については歴史的に実在しており、国民の支持もある。現在の「男性」に限る皇室典範には強い違和感があるという。

「この考え方は明らかに古典的な男尊女卑の考え方に基づいている。女性だから天皇の役割を担えない、という考え方は今の時代の国民の思いに応えていないと思います」

 女系天皇、女性宮家についても基本的には賛成の立場だ。天皇制を維持するためには、こうした制度を認めないと天皇家が断絶してしまうと危機感を募らせる。そこで嘉田議員が注目するのは、血がつながらない養子をとってつないできた伝統的な日本の家族制度だ。

「何百年と続いている老舗では必ず養子をとっている。名字を継がせて、家をつないできた。つまり、血縁主義ではないということです。男系男子の血でつながらずとも、天皇家として継続性があれば、混乱が起きるとは思えません」

 日本では今、女性の社会進出が進み、活躍する人も多くなった。イギリスやオランダなどの王室では、すでに女王が即位している。

「天皇は日本の象徴。だとするならば、社会の変化に合わせて女性天皇・女系天皇は認めるべきです。認めないとなれば、女性の社会参画が進まないことにもつながってしまう。美智子さまがご結婚されるときも民間出身の女性として初めて皇太子妃になられたため、多くの抵抗があったが、それでも今は受け入れられている。国際的にも、女系天皇が認められないという女性差別意識は逆に厳しくみられるでしょう」

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