女系天皇に反対する立場の人たちが重視するのは、例外なく男系男子の継承を続けてきたというその歴史だ。神話を含めれば2600年以上、諸説あるが学術的に存在がほぼ確実視されている継体天皇から数えても1500年以上、男系の継承を続けてきたことになる。6世紀に武烈天皇が崩御した際には跡継ぎがおらず、5代前の天皇にまで遡り、その男系の血筋を引く人物を天皇に迎えている。

ここまで一つの王朝が続いているのは、世界でも日本だけだ。下村議員は旧皇族皇室復帰などあくまでも男系を維持する方策をとるべきだという考え方だ。

「国というのは現在の人たちだけのものではなく、過去に生きてきた人たちや、将来に生きる人たちのものでもある。一度も例外なく男系男子が続いてきたということは、それだけで意味があり、日本固有の伝統や文化を表している。旧態依然に見えるかもしれないが、男女平等など現代の価値観だけで語るべきものではありません」

■皇室典範改正で愛子天皇は可能/国民民主党・玉木雄一郎

 6月に皇室典範の一部を改正する案をまとめた国民民主党。改正案は男系の女性天皇を認めるもので、皇位継承順位は愛子さまが1位、秋篠宮さまが2位、悠仁さまが3位となる。そのための女性宮家の創設も支持する。玉木雄一郎代表はこう語る。

「過去にも男系の女性天皇がいたことも踏まえれば、男系の女性天皇は認めていい。愛子さまが天皇となって、悠仁さまにつなぐというのはあり得る。男系男子にこだわれば、かえって国民の支持を失うし、皇統の継続性も危うくする」

 眞子さまは今年28歳、佳子さまは25歳で、ご結婚なされば皇籍から離れることになる。愛子さまも今年18歳で将来的にはご結婚も遠くはないと考えられる。皇位継承に関して、悠仁さまのみに大きなプレッシャーがかかることになる。玉木代表は「悠仁さまが生まれて安心してしまい、議論が小休止してしまった」とした上で、こう檄を飛ばす。

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