共産党は天皇を「君主」と捉えていないが、例えばヨーロッパの立憲君主の国々では、女性の君主が認められ、性別に関係なく年長の子から継承権を認める制度もある。「世襲」の問題を抱えながらも、制度改革は進められてきた。志位氏が続ける。

「私は女性・女系天皇の問題にかかわらず、憲法に照らして改めるべき点はすべて議論していく必要があると思っています。最もいけないことは“天皇の政治利用”です。憲法4条には、天皇は『国政に関する権能を有しない』と明記しています。安倍総理はことあるごとに『令和にふさわしい憲法改正の議論を』などと発言していますが、元号が変わることと改憲は何の関係もありません。あれこそ天皇の制度の最悪の政治利用というほかありません」

(本誌・吉崎洋夫、田中将介、亀井洋志)

週刊朝日  2019年11月1日号