14年にコーチでヤクルトに復帰以降は、1軍投手コーチ、2軍監督と指導者としての足場を固めてきた。物腰柔らか。世界各国の野球を体感し、指導の引き出しが多い。選手からの人望も厚く、「ヤクルトらしさ」を体現した人物と言える。

 一方で、投手陣の崩壊状態に加え、今季大ブレークした村上宗隆を除き、近年のドラフトでは有望な人材を獲得できていない。チームを根本から変えるには編成権も掌握する全権監督で出直すべきという声も上がる。ファン歴30年になる都内在住の会社員、橋田晴雄さん(56)は意外な人物の名を挙げた。

「元中日監督の落合博満さんにやってほしい。劇薬かもしれないけど、ヤクルトは投打の戦力がアンバランス。成績低迷は現場の責任だけではないと思う。巨人の原辰徳監督みたいに、現場のトップにカリスマ性を持った人を据えて編成権も一任するのが良いのでは。ヤクルトはファミリー球団で生え抜きの選手が監督を務めるのが伝統だったけど、今の時代は外部から呼んでもいいと思う。落合さんに3年ぐらい預けてヤクルトをどう立て直すのか見てみたい」

 シーズン終了後に、球団は新監督を正式発表するとみられる。大方の予想どおり、高津2軍監督か、それとも──。(牧忠則)

週刊朝日  2019年9月27日号