古賀茂明「過去の戦争責任を忘却しきった日本」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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古賀茂明「過去の戦争責任を忘却しきった日本」

連載「政官財の罪と罰」

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古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。主著『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)など

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。主著『日本中枢の崩壊』(講談社文庫)など

安倍首相と韓国の文在寅大統領 (c)朝日新聞社

安倍首相と韓国の文在寅大統領 (c)朝日新聞社

 徴用工問題と対韓輸出規制強化で悪化が止まらない日韓関係。河野太郎外相が徴用工問題で駐日韓国大使を「無礼」と非難し、文在寅大統領は、日本の対応を「盗っ人たけだけしい」と批判した。だが、驚くにはあたらない。

【写真】安倍首相と文在寅大統領

 今年2月、慰安婦問題で天皇に謝罪を求めた韓国・文喜相国会議長の発言に対し、河野外相が「無礼」と批判し、文議長がやはり「盗っ人たけだけしい」と応戦したのと同じやりとりだ。

 日本人の多くは、韓国要人が、ことあるごとに日本の過去の侵略行為の罪を蒸し返すことに嫌気がさしている。今回の安倍政権による韓国のホワイト国除外についても、世論調査では概ね好意的な結果となった。

 だが、国内世論と違い、世界の目はそれほど日本に優しいわけではない。そう感じた出来事を紹介しよう。

 昨年米国のボストン美術館を訪れたときのことだ。戦争をテーマにした展示コーナーに、ヒトラー、ムッソリーニと並んで昭和天皇の戦争責任を問うイラストが当たり前のように展示されていたのを見て驚いた。また、ニューヨークでタクシーに乗車したとき、アフリカから米国に来たばかりの移民の運転手に、「君たちは日本人だよな」といきなり話しかけられたときも驚いた。今や中国人や韓国人観光客のほうが日本人よりもはるかに多いのに、どうして日本人とわかったのかと聞いたら、「だって、呼び出し人としてスマホに表示された名前(そのタクシーを呼んだ知人の名前)に『HIRO』と入っていたから。HIROHITO(裕仁)と同じ日本人だとすぐにわかるよ」と言うのだ。

 この二つのエピソードは、「日本人=天皇=ファシズム」という連想がいかに浸透しやすいかを物語る。

 日本は戦後、憲法9条で不戦を誓った。それ以来、軍事行動で誰一人傷つけていないし、傷つけられてもいない。平成の天皇の長年のご努力もあり、日本の平和国家のブランドが確立したが、それとともに過去の戦争責任が国内で議論されることも少なくなった。


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