迷惑電話を「午前中だけ拒否したい」作家・黒川博行の撃退法は? (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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迷惑電話を「午前中だけ拒否したい」作家・黒川博行の撃退法は?

連載「出たとこ勝負」

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黒川博行週刊朝日#黒川博行
黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

黒川博行(くろかわ・ひろゆき)/1949年生まれ、大阪府在住。86年に「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年に「カウント・プラン」で日本推理作家協会賞、2014年に『破門』で直木賞。放し飼いにしているオカメインコのマキをこよなく愛する (写真=朝日新聞社)

※写真はイメージです (Getty Images)

※写真はイメージです (Getty Images)

 ギャンブル好きで知られる直木賞作家・黒川博行氏の連載『出たとこ勝負』。今回のテーマは「セールス電話撃退法はないか」。

*  *  *
 月刊誌の締切り日、朝の五時まで原稿を書いたが、終わらなかった。締切りのタイムリミットは午後三時ごろだから、午前十一時に起きるべく目覚まし時計をセットして布団に入った。そのようすを見ていたオカメインコのマキがとことこ歩いてきて、横になったわたしの頭にとまる。クチュクチュと小さい声で鳴くのは眠いときだ。「マキくん、ネンネしよ」枕もとのスタンドを消した。

 目覚めたのは九時半だった。電話が鳴っている。午前中にかかってくる電話はほぼ例外なくセールスだから、絶対にとらない。コール音は七、八回も鳴って、ようやくやんだ。わたしは十一時まで眠ろうと眼をつむったが、眠れない。くそっ、起こされた──。

 マキがわたしのまぶたと唇をつついた。「こら起きんかい。腹へったやんけ」という合図だ。

 台所に降りてマキに餌をやり、バナナを食った。コーヒーを淹れて仕事場にもどり、電話の着信記録を見ると、やはりフリーダイヤル“0120”からはじまるセールス電話だった。なんとか、これを撃退する方法はないのか──。

 そこで思い出した。NTTに“迷惑電話おことわりサービス”とかいうのがあることを。

 わたしはNTTに電話した(かかってくる電話は嫌いだが、かける電話はまったく気にならない)。

 ──ちょっと教えて欲しいんですけど、午前中の電話を拒否したいんです。どうしたらよろしいかね。

 ──お客さまの電話機にナンバーディスプレイは。

 ──あります。非通知拒否契約もしてます。

 ──午後の電話は大丈夫なんですか。

 ──事情があって、午前中は寝てますねん。午後はOKやけど、夜は九時までにしてほしいんです。

 ──申しわけありません。当社には時間帯によって着信を拒否するようなサービスはございません。

 ──ほな、ほかの社やったらあるんですか。


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