ファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏は、買いすぎを防ぐため、買い物時に1千円しか持たない方法を紹介する。

「1千円しか手元になければ、その範囲に抑えるため、より真剣に商品を選んだり、買い物額を計算したりするようになります」

 この方法を実践した60代の女性は、食費を月4万円に抑えることができた。

「毎日気をつけていても、食費はなかなか減りませんでした。1千円しか持たないことで、すぐに効果がありました」(女性)

 家庭ごとに食事の内容は違うので削減目標は掲げにくいが、夫婦2人なら1日1千円でまかなうことも十分可能だ。

 また、畠中氏は食費よりも「特別な出費」に注意すべきだという。冠婚葬祭や旅行、子どもや孫への援助、家電や家具の買い替えなどのこと。日常的な出費ではないため、比較的高額でもすんなり支払ってしまう。

 そこで畠中氏が勧めるのが「特別支出ノート」。冠婚葬祭や家電など項目ごとに記録しておく。どんな家電をいつ購入したか振り返ることができれば、買い替え時期もわかりやすい。

「この先どんな出費がありそうかを把握できます。食費や通信費などをいくら抑えても、特別な出費をコントロールできなければうまく節約できません」(畠中氏)

 特別な出費の中で大きなものの一つに旅行費がある。老後にできた時間で旅行を楽しむことは素晴らしいが、どうしても費用が膨らみがち。割引特典をうまく利用しよう。航空券やホテルなどは、早めに予約すれば割安になる。搭乗距離に応じてたまるマイレージサービスも活用する。

 畠中氏は、4カ所の候補からランダムに選ばれた場所への往復航空券と交換できるJALの「どこかにマイル」サービスがお勧めだという。

「通常よりも少ないマイルで航空券と交換できます。候補地は限られていますが、どこに行けるのか、どきどきする楽しみもあります」

 最後に、支出を絞るだけでなく、老後の収入を増やす方法も押さえておこう。

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