固定費といえば光熱費も減らせる。電力の小売りは16年に全面自由化され、消費者が電力会社や料金メニューを自由に選べるようになった。お金のコンサル会社「ブロードマインド」の坂本卓也氏は、比較サイト「価格.com」で最適な契約を調べることを勧める。

 例えば、東京電力エリアの東京都新宿区で生活する3人以上の世帯で契約アンペア数が50Aの場合、エルピオが運営する「エルピオでんき」に契約を切り替えると、年間で2万7263円安くなるという。

 新宿区の1人世帯で契約アンペア数が30Aの場合、四国電力の「オリーブプラン」(東京エリア)に切り替えると、キャンペーン特典を含め年間8千円ほど安くなることがある。

 電気をたくさん使う家庭ほど節約効果が期待できる。使用量によっては、電気料金がかえって上がる可能性もあるので注意しよう。

 次はガス料金の見直し。都市ガスの小売り全面自由化は17年から始まっている。電気に比べ選択肢は少ないが、こちらも比較サイトで調べることができる。東京ガスのエリアで4人世帯の場合、ニチガスに切り替えると初年度で年間6398円安くなる。2人世帯なら4749円だ。

 ほかにも電気とガスのセット契約もあり、いろいろな組み合わせがある。どれを選べば一番有利なのか、すぐにはわかりにくい。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢氏は、過去1年分の実際の消費量を比較サイトに入力して、比べてみるよう助言する。

 水道料金は自治体ごとの契約になり格安メニューは基本的にない。節水が有効で、水道局などが無料配布する「節水コマ」を利用しよう。蛇口に取り付けると、水量を抑えられる。取り付けられないタイプもあるので確認が必要だ。(池田正史、本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2019年5月3日‐10日合併号より抜粋

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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