投手陣は今季チーム防御率4.12と先発陣のやりくりに苦労した。大瀬良大地が15勝7敗、防御率2.62とエースに成長し、ジョンソンは11勝5敗、防御率3.11、九里亜蓮(くり・あれん)が8勝4敗、防御率4.26と及第点の活躍だったが、他の先発陣は不本意な数字だった。野村佑輔が7勝6敗、防御率4.22、岡田明丈が8勝7敗、防御率5.09。薮田和樹は昨年15勝と大ブレークしたが、今年は2勝のみと大誤算だった。岡田、薮田、中村祐太らが先発ローテーションの一角として1年間稼働すれば、救援陣にも負担がかからずさらに白星の上積みが期待できる。巨人の大型補強は野手に偏り、投手陣の目立った新戦力は元マリナーズの岩隈久志のみというのも広島にとっては追い風だ。

 もちろん巨人が例年以上に手強い相手であることは間違いない。広島は巨人に直接対決で今季17勝7敗1分と15年から4年連続カード別で勝ち越している。来年の開幕カードは広島―巨人(マツダスタジアム)。本拠地で広島が勝って勢いに乗るか、巨人が「今年は違う」と一泡食わせて開幕ダッシュに成功するか。来季の命運を握る戦いになるかもしれない。(今中洋介)

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