パイロットによる飲酒問題が発覚した日本航空。国土交通省職員が立ち入り検査に入った (c)朝日新聞社
パイロットによる飲酒問題が発覚した日本航空。国土交通省職員が立ち入り検査に入った (c)朝日新聞社
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「入社してから初めて、お酒なしの忘年会をやる羽目になりました……」

 こうぼやくのは、副操縦士の“酩酊事件”で揺れる日本航空(JAL)の本社社員だ。会社から社員に「年内は禁酒」の通達メールが届いたという。くしくも本格的な忘年会シーズンを迎えたタイミングでの禁酒令発動。社員の間には、戸惑いが広がっている。

 酩酊事件は、まず10月28日、ロンドン・ヒースロー空港で発生した。ロンドン−羽田便に乗務予定だった副操縦士から現地基準の約10倍のアルコールが検出。副操縦士は英国警察に逮捕された。11月29日、英アイズルワース刑事法院は、副操縦士に禁錮10カ月の実刑判決を言い渡した。これを受けてJALは30日、同副操縦士の懲戒解雇を発表。代表取締役社長は月額報酬20%減(3カ月)、取締役専務執行役員運航本部長も同10%を減額(同)とした。

 さらに、11月28日、国内でJALグループの日本エアコミューターでもアルコール問題が発生。鹿児島−屋久島便に乗務予定だった機長から、基準値を超えるアルコールが検出され、便の遅延が発生した。

「ロンドンの事案の後にも全社員に注意喚起のメールが出されたのですが、鹿児島の事案を受け、対応強化として禁酒の通達メールが出されたんです」(前出のJAL社員)

 JALグループの連結従業員数は約3万3千人(3月時点)。メールは「年内は、社内組織単位の飲酒を伴う懇親会・忘年会を自粛すること」「公の場でのJALグループ関連の会話自粛」「JALグループが分かる社章等の取り外し」を徹底するように、といった趣旨の内容だったという。

 前出のJAL社員は飲み放題付きプランで都内の店を前々から予約していたが、急きょ飲み放題をキャンセルする羽目に。

「忘年会は例年、若手が盛り上げ役として余興をするのですが、今年はアルコールなしで会場はどこか白けたムード。見てるほうもやるほうも地獄でした。一生懸命練習をしてきた若手がかわいそう……」(同)

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