結婚や引っ越しなどで住宅購入が決まっている人は、「焦らず急げ」といったところだ。

 早めに進めたいのが住宅のリフォーム。かかる費用はある程度決まっているので、増税後に景気が悪くなっても値段は下がりにくい。大規模なものだと数百万円から数千万円かかるケースもあり、増税前に実施しておきたい。事前調査を含めると着工までに1~3カ月程度かかる。複数の業者から見積もりを取って、今から検討しておきたい。

 一方で中古マンションは急ぐ必要はない。売り主が不動産業者でないケースが多く、個人間の取引になるので、消費税がかからないためだ。

 こうした、「消費増税前に買っておきたいもの」と「急ぐ必要がないもの」を、下にまとめた。

 下の一覧にあるように家電は種類によって異なる。

「テレビやパソコンなどの黒物家電は価格の変動が大きいうえ、次々と新商品が出るので慌てて買う必要はない。冷蔵庫や洗濯機といった白物家電は、耐用年数が比較的長く、大きく値崩れすることもない。増税前に買えば2%分お得ですね」(渡辺氏)

 買うタイミングも計ろう。来年の9月に買おうとしても、駆け込み需要で売り場が混雑し、欲しいものがない恐れもある。年末年始や2~3月の決算期はセールがあるので、3月末までが狙い目だ。

 他にも買っておきたいのが、定期券や新幹線のチケットなど。経済アナリストの森永卓郎氏はこう言う。

「増税前の買いだめや駆け込み消費は、腐らないもの、劣化しないもの、定価で販売されているものを狙うのが鉄則。その意味では定期券はお得。長期のものを直前に買えば節約になります」

 備蓄しやすい酒や市販薬も買いだめできる。飲みすぎや使用期限に注意が必要だが、大型スーパーやドラッグストアでまとめ買いしておこう。

「備蓄しやすく値崩れしないものならば、買いだめしておいていい。日常的に使用する市販の風邪薬や胃腸薬、スキンケア商品や歯磨き粉などは場所も取りません」(前出の渡辺氏)

次のページ