9月20日に行われた総裁選では、国会議員の投票の直前まで待ってようやく、「石破支持」を表明し、「安倍陣営に恩を売ったのでは?」と周囲を驚かせた進次郎氏。

 当の石破茂氏に率直な感想を尋ねると、「本人から一回も直接聞いたことがなく、報道で知りました」と意外な事実を明かした。進次郎氏の支持は嬉しかったかと尋ねると、「そりゃ、悲しくはないわね」と照れたように語った。

 進次郎氏がもっと早いタイミングで支持を表明すれば地方票は並んだのではないか、と畳みかけると、石破氏のこんな本音も。

「それはそうでしょう。並ぶより、ひっくり返したでしょう。彼が一緒に全国を回ってくれれば、田中真紀子、小泉純一郎両先生が組んだとき(2001年の総裁選)のようなブームが起こったと思います。でも、まあ、進次郎さんの判断だからね……。自分の行動で日本はどう変わるか。そう考える立場に彼はいるのでしょう」

 11年から13年9月まで自民党青年局長を務めた進次郎氏と青年局長代理としてタッグを組んだ中山泰秀衆議院議員はこう語る。

「進次郎議員は純一郎元首相というたぐいまれな宰相を父に持った人で、かつ小泉兄弟から連想するのは、第二の石原兄弟です。進次郎議員と孝太郎さんは石原慎太郎と裕次郎の関係。一人は政治家、一人は人気のある芸能人という兄弟のタッグは選挙に強く、選挙区が安定していることは彼の強みですよね」

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は政治家を生業とする小泉家のシステムも機能していると分析する。

「進次郎さんの秘書は親戚ですが、何でも好きにやらせているわけではない。間違わないで育ってほしいと思うからこそ、身内の監視が常にある。政界では別格の存在だからこそ、裏に回ると、妬み嫉みがすごい。いつ、足を引っ張られてもおかしくないし、首相になるには弱点など克服すべき課題がある」

 では進次郎氏の弱点とは何なのか。石破氏はこう指摘する。

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