撮影/鎌田倫子
撮影/鎌田倫子

 薬局やドラッグストアで販売している頭痛薬などの「痛み止め」。気軽に手に入り、苦痛を取り除くのに便利だが、注意も必要。付き合い方をどうすればいいのか。

 地域のかかりつけ医として在宅医療などを行う、鈴木内科医院(東京都大田区)の鈴木央さんは「痛いから痛み止めを使う気持ちはよくわかります。まず使ってみて、それで痛みが治まらない場合は受診しましょう」とアドバイスする。

 薬で痛みを止めた状態で受診してしまうと、病気が隠されてしまうことも。薬を飲んで痛みが治まった後に受診するときこそ、痛みの情報をしっかり医師に伝えよう。

 ただ、痛み止めの飲みすぎはダメ。胃の病気を作り出すこともあるからだ。

 アスピリン、ロキソニン系などの痛み止めはNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)といい、痛みや炎症のもとになる物質、プロスタグランジンの産生を抑えることで痛みを和らげる。だが、この物質は胃の粘膜を保護する物質でもあるため、痛み止めを飲むことで胃の粘膜が弱まり、胃潰瘍や出血などを引き起こすのだという。

「痛み止めを使えば一時的に痛みは和らぐかもしれませんが、胃に潰瘍ができたり、出血したり、胃の壁に穴が開いたりして、激痛が生じるリスクも。痛み止めを漫然と使い続けたり、用法や用量を守らず使ったりすることはキケンです」(鶴田さん)

 痛み止めは体性痛にはよく効くが、内臓痛には効きにくい。痛み止めを飲んでも解決できない痛みがあったら、即、医療機関へ。(本誌・山内リカ)

週刊朝日  2018年9月21日号