【レベル1】現状を把握する(スマホなどの歩数計で1日どのくらい歩いているか計測)


【レベル2】1日1万歩を目指す
【レベル3】毎日の歩数を記録していく
【レベル4】具体的な目標を設定(「○キロ痩せる」「血圧を正常値に」など)
【レベル5】一緒に歩いたり、結果を報告し合うウォーキング仲間を作る(家族や友人を誘ったり、SNSで仲間を作るのも手)
【レベル6】日常生活の中で歩くことへのハードルを下げていく(3階までの移動は階段を使用、電車移動のときは一駅手前で降りて歩くなど)

 ウォーキングをすると、足を中心に筋力もアップする。健康長寿をまっとうするには体を動かす筋力は不可欠だが、心臓や血管にとっても筋力は重要な役割を果たすのだ。

「心臓の高さより下に流れる血液は重力に逆らって再び心臓に戻ってこなければなりません。ふくらはぎなどの足の筋肉が収縮することでポンプ機能の役割を果たし、戻すのを手助けしてくれているので、足の筋肉が弱っていると血液はスムーズに流れてくれません」(同)

 とはいえ、運動習慣のなかった人が1万歩目指して歩こうとすれば筋肉に大きな負荷がかかるし、関節を傷めてしまうこともある。そんな人には「2分下半身ストレッチ」がオススメだ。太ももの前面、腰と太ももの後ろ、ふくらはぎを伸ばす3種のストレッチを各20秒、片足ずつおこなうだけ。両足2分で完了する。

「ウォーキングなど運動の前にストレッチをし、固まった筋肉をほぐし関節を柔らかくしておきましょう。運動後のクールダウンにも効果的です。朝起きたときやデスクワークの合間などにもこまめにやるようにするといいでしょう」(同)

 筋肉を使うと内皮細胞も活性化する。このストレッチにより下半身の大きな筋肉を刺激できるので、効率よく血管を鍛えられる。ウォーキングと合わせれば、さらなる血管増強効果が期待できるという。

 運動は貯金ができないので、続けることが必要だ。でも、運動習慣のなかった人にとって「続ける」というのはかなり高いハードルとなる。そんな人は、どこでも簡単に短時間でできる「ながら体操」を、習慣にしてしまおう。

「グー・パー運動」は、イスに座って背筋を伸ばし、手と足でグー・パーを各1秒ずつ10回くり返す。文字どおり、テレビを見ながらできる体操だ。また、ふだん駅やオフィスの階段を上るときに、かかとをつけないようにすれば、体重を支える面積が減りふくらはぎなどの筋肉がより鍛えられる。生活の中で無意識におこなっている動作も、少し工夫を加えれば血管に効果的な運動となるのだ。

「血管病の兆候がある人は運動で症状が悪化することもあるので、自分の判断でおこなうのでなく、主治医の指導に従いましょう。『まずウォーキングから』というように、毎日の生活に習慣として取り入れていくことが大切です。血管の強さは元気に過ごせる『健康寿命』にも直結します」(同)

 心臓血管外科医で大崎病院東京ハートセンター顧問の南和友医師も言う。

「少しでも若いうちから血管の老化の進み具合、つまり血管年齢の現状を知り、生活習慣を見直すことが重要です。目安として40歳を過ぎたら、血管の状態がわかる検査を受けましょう」

「年だから仕方がない」と諦めず、今日から血管力を高めよう。血管の若返りは何歳からでも可能なのだ。(ライター・谷わこ)

週刊朝日 2018年8月10日号より抜粋