今年春の九州大の合格発表(c)朝日新聞社
今年春の九州大の合格発表(c)朝日新聞社
医学部に強い国公立高校(合格者数1~15位)
医学部に強い国公立高校(合格者数1~15位)
医学部に強い国公立高校(合格者数16~30位)
医学部に強い国公立高校(合格者数16~30位)

 今年春の医学部入試で、私立大合格者の出身高校をみると、私立が約8割と圧倒的に多く、約2割が国公立だった。一方で、国公立大医学部だと、国公立高校からの合格者が半分近くもいて、健闘している。医学部に強い国公立高校の顔ぶれを探ると……。

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 医学部医学科のある50国公立大学への合格者(判明分)は、全国で約5500人。うち約2900人が私立高校、約2600人が国公立高校の出身者だった。医学部受験というと、都市部の中高一貫校が強い印象だが、有力私立高校の少ない地方では国公立の進学校から医学部に数多く合格している。

 そこで、医学部に強い国公立高校のトップ30を作成した(グラフ、『週刊朝日』6月15日号から)。全国の国公私立82大学の合格者数で集計すると、上位30高校の内訳は国立4、公立26だった。

 1位は国立筑波大附駒場(東京)で、国公私立大の医学部医学科に計81人が合格。うち52人(64%)が現役生で、国公立高校のなかで抜群に高い現役合格比率を誇る。東京都内にあるだけに、東大理III(17人)など国公立に加え、慶応義塾大医学部(21人)など首都圏の私立大にも強い。2位も国立高校で、筑波大附(東京)だった。

 3位は浜松北(静岡)。公立校としてトップの75人だった。浜松北は浜松医科大志望の生徒が多く、13位の静岡(静岡)とともに合格者数上位の常連校だ。

 4位の札幌南(北海道)は、医学部合格者71人のうち、国公立大が50人(70%)と多かった。北海道大19人、札幌医科大18人、旭川医科大9人など、道内の国公立大医学部に断トツの強さをみせる。

 続く岡崎と旭丘は、ともに愛知県の名門公立校。岡崎はトヨタグループのおひざ元の三河地区に、旭丘は名古屋市内にあり、名古屋大への合格者数を競う。旭丘は名古屋市立大や三重大、岡崎は浜松医科大への合格者も多い。中京地区は通学圏内にある医学部が多く、私立東海を含め、医学部志向の強い高校が目立つ。

 東京の公立トップの日比谷は、筑波大と千葉大各3人、埼玉県にある防衛医科大学校5人など、首都圏の医学部への合格者が多い。本高校から熊本大、新潟高校から新潟大といった具合に、地方の国立大医学部の合格者数は、地元の公立進学校の存在感が強い。鶴丸(鹿児島)は、鹿児島大医学部合格者の約3分の1を占める。

 週刊朝日は6月15日号で、医学部への合格者が多い全国約250の国公私立高校のランキングを掲載している。(本誌・中川透)

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