レッスンが始まる30分前からスタジオは開放される。早めに到着し、更衣室で着替え、テラスに出て風に当たっていると、まるで海外のリゾートの一角にいるような気分になり、街中にいるのをつい忘れそうに……。

 人気は「ビーチヨガ」や「サンセットヨガ」。正面スクリーンに映し出される海を見ながら、1時間15分かけて体を動かす。「ヨガは初めて」という人もちらほらといて、中には若い男性の姿も。

 ヨガは室内で行うだけではない。海の上でも楽しめるようだ。それが「SUP(サップ)」の上で行うサップヨガ。

 SUPは「STAND UP PADDLE BOARD(スタンドアップパドルボード)」の略。水上に浮かぶ不安定なボードの上で行うため、腹直筋や腹斜筋などを使い体幹が鍛えられる。普段あまり意識しない内転筋や腸腰筋も使う。

 女優の田中律子さんが理事長を務める日本サップヨガ協会に聞けば、サーフィンをやってみたいけど難しいからサップヨガ、と参加する人もいる。驚いたのは、体験者の最高年齢は80歳超だそうで、こわばって硬くなっている体を、水面でゆらゆらしながらほぐしていくという。

 暑い室内で行うホットヨガは一世を風靡(ふうび)したが、現在はどうだろう。「ホットヨガスタジオ ロイブ」を全国に30店舗展開する「ライフクリエイト」は、「リストラティブヨガ」を、大きなバランスボールを取り入れて行う。一般的な「リストラティブヨガ」は深いリラクセーションでうとうとしてしまうものだが、ホットスタジオで行うとは……。眠れないかもしれないが、冷え症の人には理想的な環境だろう。

 そのほか、「リンパデトックスヨガ」などのオーソドックスなヨガから、「肩コリラックスヨガ」「腸活ヨガ」「ととのえてゆがみとりヨガ」「背中美人ヨガ」と、チャーミングな名称のヨガまでそろうが、いずれも暑い環境だからこそ、ほぐれやすいのが魅力だという。

 同社商品企画部の松井真澄さんに聞くと、人気は「リンパデトックスヨガ」。全身のリンパ液の流れを促進させ、免疫力を上げるのが目的で、まるでエステのようだ。

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