迫田英典元理財局長(c)朝日新聞社
迫田英典元理財局長(c)朝日新聞社

 証言拒否を繰り返し終わった佐川宣寿・財務省前理財局長の証人喚問。しかし、文書改ざんには、佐川氏以外に多くの“戦犯”が残っている。

 証人喚問で佐川氏は、文書改ざんについて安倍夫妻や官邸の関与を明確に否定した。だが、佐川氏は森友学園への国有地払い下げの核心を知る立場にあったわけではない。佐川氏が財務省の理財局長に就任したのは2016年6月17日で、わずか3日後の20日には、森友学園と近畿財務局の間で国有地の売買契約が締結。ゴミの撤去費として8億2千万円が値引きされ、破格の1億3400万円で売却された。宮本岳志衆院議員(共産)が指摘する。

「森友学園との国有地払い下げ交渉に関わっていたのは、前任の理財局長だった迫田英典氏です。しかも、佐川氏は証人喚問で森友案件を『迫田からは一切引き継ぎを受けていない』と明言しています。ならば、迫田氏を証人喚問して売り払いを前提として貸し付ける特例措置に至った経緯などを証言させるべきです」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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