東大の安田講堂(加藤夏子撮影)
東大の安田講堂(加藤夏子撮影)
グラフ1:東大の合格者数と現役生の比率(2017年)
グラフ1:東大の合格者数と現役生の比率(2017年)
グラフ2:京大の合格者数と現役生の比例(2017年)
グラフ2:京大の合格者数と現役生の比例(2017年)

 東大の合格者数は私立開成(東京)が長年トップだが、現役合格の比率でみると別の姿が浮かび上がる。昨年の実績では、東大の現役合格に強いのは私立女子学院(東京)など「女子御三家」、京大の現役合格に強いのは公立高校だった。

【グラフ1・2】合格者数と現役合格生の比率を示したグラフはこちら

 2017年の東大合格者が20人以上の高校について、合格者数と現役合格生の比率を示したのがグラフ1。開成は合格者161人と最も多いが、現役生は64%の103人で、残る58人が浪人生だった。

 開成に次いで合格者が多い国立筑波大附属駒場は、現役生比率が開成より高い。同校は1学年160人のため、ほぼ2人に1人が東大に現役で合格した。

 現役比率の上位校をみると、私立女子学院(東京)や私立桜蔭(東京)など、女子御三家の存在が目を引く。御三家のもう一校、私立雙葉(東京)は合格者14人のためにグラフ上に載せていないが、現役が13人と93%を占める。

 東大生のうち7割が現役合格で、3割が浪人(2016年学生生活実態調査より)。女子御三家3校の昨年の合格者計約110人の約9割が現役のため、東大生全体と比べて大幅に高い。

 現役合格に強い高校は女子御三家を始め、渋谷教育学園渋谷(東京)、海城(東京)、浅野(神奈川)、聖光学院(神奈川)、甲陽学院(兵庫)など私立高校が並ぶ。東京都立のトップ校の日比谷は、合格者45人のうち73%の33人が現役だった。

 私大優位が顕著な東大と比べ、京大は公立勢が健闘している(グラフ2)。

 札幌南(北海道)は京大合格者21人のうち90%の19人が現役。同校は昨年、京大と大阪大の合格者がともに東日本一だったという。関西の大学に多数合格したことについて、進路部長が同校HPで次のようにコメントしている。

<このような結果となった理由の一つとして、今春の卒業学年については、進路指導を学問研究から始めたことが挙げられます。自分がどの学問に興味があるかを考え、どの大学ならばその学問を深く研究できるのか、そして将来の仕事へのつながりを見つめていくという方法でした>

 京大合格者数トップは私立洛南(京都)で、公立最多は県立膳所(滋賀)。第90回記念選抜高校野球大会出場でも話題だが、京大に昨年66人合格した進学校だ。現役は44%の29人。公立2位の府立北野(大阪)は計64人のうち現役が73%の47人で、現役合格は膳所を上回る。

 県立岡崎(愛知)、府立洛北(京都)、市立西京(京都)、市立堀川(京都)なども昨年、現役合格生の比率が高かった。

 週刊朝日は3月30日号(3月19日発売)で、最新の2018年の東大・京大の合格者数の高校別ランキングを、現役・浪人別の人数とともに掲載している。(本誌・中川透)

週刊朝日 オンライン限定記事