「50歳でもまだ二十数年働ける。50代はパソコンを使える能力が高く、コミュニケーション能力や、一消費者目線のトーク力を備え、企業側からも高評価です。少子化で労働力不足の時代ですから、20年後だって『戦力』として重宝される可能性も十分です」

 1月末の水曜日の夜。東京・恵比寿の多目的スペース「アクトスクエア」で開催されるディスコイベントに向かう記者(40代後半)に、常連バブル女子A子(53・会社社長)からメールが届いた。「ナンパされるかもよ」。さすがにそれはないだろうと思いながら、会場に着いて、驚いた!

 50~60代の男女が年齢を感じさせず、瞳を輝かせながら、シャンパン片手に踊っている。会場の片隅のテーブル席には、そんな姿を眺め、雰囲気を楽しんでいるシニア男性まで。会場にはお決まりのミラーボールに80’sの音楽が大音量で流れる。青春の思い出が詰まった曲が連続してかかると、自然とステップを踏んでしまう。嗚呼(ああ)! まるでタイムスリップしたかのような気分。孫がいてもおかしくない年齢で、中には介護の悩みを持つ人もいるかもしれない。その顔にはしわもシミもあるが、それは人生の勲章とも言えよう。あっぱれ、日本のバブル女子! 常連のA子によれば、ディスコは社交の場。踊る仲間がどんどん増えていき、旅行まで一緒に行く仲になるとか。踊りを極めたがるのもこの世代の特徴で、A子の場合は、「この曲のステップを上手に踏みたいから」と、2年間スクールに通ったこともあるという。

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