碓井教授が今回のコメント文から受けた印象は、

「『不倫宣言』でなく、『生き方宣言』のように見えます。不倫肯定でもなく、自己弁護でもない。肩に力が入らず、それでいて芯は強い。バッシングが来るのは分かっているけれど、私はそれも引き受けますよ、大人だからと。自分の人生には、自分で決着つけていきますという宣言だと感じました」

 コラムニストの吉田潮さんは言う。

「慰謝料を払うという覚悟があると示した。不倫した女性が、自らの後始末までを示唆するという点では、新しさを感じます」

 一方で、今回の発表は、みる人が見れば、自然体という小泉の評判とはちょっと違う人物像が浮かび上がるようなのだ。

「小泉と豊原の公表文は体裁も書き方も似ている。この伝え方なら大丈夫という線を、二人で相当練ったのでしょう」(吉田さん)

 夫婦問題研究家の岡野あつこさんも同様の意見だ。専門家として、不倫公表についてこう分析する。

「もはや、小泉さんにはカミングアウト以外の方法がなかったのだと思います。ただこのやり方は、ウルトラCの荒業です」

 相手の豊原は現在、離婚成立前の別居期間中。岡野さんは、一般的に妻側がどんな行動に出てもおかしくない、“もっとも恐ろしい期間”だと強調する。

「夫に他の女性がいる場合、“相手の女性を困らせたい”という欲求に駆られる妻は少なくない。実際に、妻が相手の女性の職場や家族、友人らに誹謗中傷を流布して回るという話も多い。小泉さんも、自ら公表しない限り、妻にいつバラされるか分からないという相当な恐怖がついて回っていたでしょう」(岡野さん) 

 もし先に、妻が二人の不倫関係を暴露していれば、小泉にとっては取り返しのつかないイメージダウンになるところだった。バーニングという後ろ盾を失った今、自分の身は自分で守るしかない。

「先手必勝で公表に踏み切るしかなかったのでしょう。それも二人そろっての公表は、揺るぎない愛情がないと成り立たない。つまりこの公表は、豊原夫妻の“破たん宣言”にもなります。妻もさすがに、諦めるしかないという判断に追い込まれるのでは」(同)

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「AERA」のインタビューで語っていたは…