遡ること40年前、1978年1月に放送を開始した歌番組「ザ・ベストテン」。黒柳徹子さんと久米宏さんの弾丸のような名トークに、生放送ならではのハプニングと緊張感、そして何よりも公明正大なランキング形式が視聴者の心をわしづかみにし、日本の音楽シーンを変えた。
司会の久米宏さんの証言で、“青春”を振り返ろう。
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「ベストテンを、7年3カ月続けた記憶がないんですよね。感覚的には2年くらい。7年って長いですね」
黒柳徹子さんとの賑やかなトークに、時事ネタや下ネタを織り交ぜながらの生放送は、ハプニングの連続で視聴者を釘付けにした。
常に時間との闘いで、放送中に歌を楽しむ余裕はまったくなかったと語る久米さん。出演アーティストにまつわるエピソードをいくつか明かしてくれた。
「ゴダイゴは一時期、毎週レギュラーのようにランクインしていました。彼らの持っている世界観は深くて、未来永劫続くんじゃないかと思っていた。そのころ『今週のスポットライト』に初めてサザンオールスターズが出たんですけど、僕は歌詞がひとつもヒアリングできなかったこともあって、一発屋だろうなと(笑)。それは、頭にゴダイゴがあったからなんです。ビッグなバンドだし、偉大だというイメージがありました。