久米宏が仕掛けた「ほかの歌番組がやらないこと」とは? 「ザ・ベストテン」の舞台裏 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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久米宏が仕掛けた「ほかの歌番組がやらないこと」とは? 「ザ・ベストテン」の舞台裏

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沖田十二週刊朝日

久米宏(くめ・ひろし)/1944年、埼玉県生まれ。67年にTBS入社。78年から85年まで「ザ・ベストテン」の司会。79年からはフリーになり、85年から18年半「ニュースステーション」の司会を務めた。近著に『久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった』がある

久米宏(くめ・ひろし)/1944年、埼玉県生まれ。67年にTBS入社。78年から85年まで「ザ・ベストテン」の司会。79年からはフリーになり、85年から18年半「ニュースステーション」の司会を務めた。近著に『久米宏です。 ニュースステーションはザ・ベストテンだった』がある

 西城秀樹さんの『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』は9999点を獲得。後にも先にも最高得点はこの曲だけなんです。彼は若いのにしっかりしているなという印象がありました。タキシードっぽい衣装を着てきたときに、襟が片方折れていたから、『僕が直しましょう』って言ったら、『ダメです。これはこういうデザインです』って怒られたのを、いまだに覚えています(笑)」

 久米さんは歌手の見たことのない表情、聞いたことのない答えを引き出そうと心がけていたという。いちばん成功したと感じたのは?

「百恵ちゃんとのやり取りですね。『どんなものに春を感じます?』『そうですね、新茶なんて春っぽいでしょう』『それから?』『あとは……。薄物のブラウス』。このとき、『それから?』ともうひとつ答えを求めるのは、事前の打ち合わせになかった。彼女は困って、その場で本気で考えなきゃいけない。百恵ちゃんが真剣に考える表情は、ほかの番組ではあまり見たことがないわけです。だからその瞬間、やった!と思いました。もちろん、彼女なら答えられるという確信があったから、できたことです」

 久米さんが仕掛けた「ほかの歌番組がやらないこと」こそが、高視聴率の原動力となったのだろう。

(取材・文/沖田十二)

週刊朝日 2018年2月9日号


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