「富士山が最後に噴火したのは約300年前。その2カ月近く前には宝永地震という巨大地震が発生、その4年前にも房総沖で巨大地震があった。95年の阪神・淡路大震災、11年の東日本大震災によって、富士山のマグマだまりは押し縮められている。19年前後までに噴火すると予測しています」

 木村氏はほかにも噴火の可能性のある山を挙げる。

「火山の活動は太平洋プレートの動きと関わっており、草津白根山以北の火山や、御嶽山、浅間山、三宅島、十勝岳は注意が必要。また、桜島、霧島山、阿蘇山なども太平洋プレートの動きと関係あると思われます」

 ちなみに、島村氏によると、前回の富士山噴火では、2時間ほどで江戸に火山灰が降り注いだそうだ。

「次は東京が大混乱に陥るのは間違いないでしょう」

 と島村氏。ならば、被害の大きさという点で危険な火山はどこか。

「箱根山、日光白根山、蔵王山、岩手山、安達太良山、樽前山。例えば蔵王山は仙台が近く、岩手山も盛岡から20キロほど。都市部に近く、人気のスキー場や温泉地など、人が集まる場所がある火山には注意が必要です」(島村氏)

(本誌・秦正理)

週刊朝日  2018年2月9日号

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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